私は現在フリーランスのライターですが、実は以前、社会人向けのWebデザイン専門スクールに通っていた時期がありました。
通っていたのは、デジタルハリウッドの「Webデザイン専科」。
スクール卒業後はディレクター職に就いたため、デザイナーとしての実務経験はありませんが、デザイナーさんと一緒に仕事をする機会は多くありました。また現在もライターとしてWeb制作に携わることが度々あります。(Webサイトのテキスト担当)
今回は私の経験談を踏まえ、
- なぜWebデザインスクールに通ったのか?
- Webデザインの専門学校ってどんな感じ?
- 未経験からWebデザイナーになれるの?
といった話を書いていきたいと思います。
私がスクールに通っていたのは8年前です。現在は「デジタルハリウッド×LIG」の運営形態ですが、私が受講していた当時はデジタルハリウッドが単体で運営していました。
現在のカリキュラム内容を確認しつつ、自身の体験談も踏まえて記事を書きましたが、正確な情報についてはスクールのWebサイトでご確認ください。
なぜWebデザインスクールに通ったのか?
Webデザインスクールに通おうと決めた当時、私はとあるメーカー企業で一般事務の仕事をしていました。
仕事は簡単な事務作業がメイン。楽だし定時で帰れるし、きっと人によっては天国のような職場だったと思います。
でも、「このままじゃ何のスキルもつかない、やばい!」と危機感を覚えた私は、「とにかく何でもいいから手に職つけたい!」と思うように。
そんな中、たまたまネットの広告で見つけたWebデザインスクールの案内を見て、何となく気になったので、気軽な気持ちで説明会に参加してみました。
デジタルハリウッド含め2社のWebデザインスクール説明会に参加
「個人のスキルで仕事ができて、在宅でも働ける、PCを使う仕事」をしたかった
最初に足を運んだのは、デジタルハリウッドです。
校舎はおしゃれなカフェのような雰囲気で、まずそこに惹かれました。あとで詳しく書きますが、スクールに通って自己学習を進める形だったので、「この空間で勉強できたら楽しいだろうな」と感じました。
加えて、対応してくださったスタッフの方も感じが良くて、「私自身もWebデザイナーとして活動しつつ、空いた時間でここで教えているんですよ」とおっしゃっていました。
Webデザイナーを目指すなら、実際にその仕事に就いている人が近くにいたほうが、情報収集しやすいしモチベーションにも繋がるだろうな、と感じました。

ひととおりスクールの説明を受けたあと、スタッフの方にこう聞かれました。
「『手に職つけたい』んだったら、ネイリストとかもアリですよね。どうしてWebデザインだったんですか?」
そこで、自分でも「なぜだろう?」と疑問に思いました。
「たまたま」Webデザインスクールの広告を見て、「何となく」気になったので参加した説明会。
でも、見たのがネイリスト養成スクールの広告だったら、きっと説明会には参加していなかったはず。
漠然と「何かしらのスキルが欲しい」と思っていた私は、そこで改めて考えました。
- 自分はどうして「手に職」が欲しいのか。
- 具体的に、どんなスキルが欲しいのか。
- 将来、どんな働き方をしたいのか。
自分を掘り下げていく中で、少しずつ見えてくるものがありました。

会社員だった当時から、「ゆくゆくは個人で仕事をしてみたい」「会社勤めではなく、家でできるような仕事もいいな」という思いがありました。
そして、当時からブログを趣味で書いていたのもあり、PCに向かう作業が好きでした。
「個人のスキルで仕事ができて、在宅でも働ける、PCを使う仕事」
これが、私が思い描いている未来で、だからWebデザイナーに興味を持ったのだと気づきました。
不足するIT人材。Web/ITの知識は需要が見込めるスキル
説明会では、単にスクールの紹介だけではなく、業界動向などの説明もありました。
「今後Web・ITスキルを持つ人材が求められるようになるのは間違いない」というお話を聞いて、私自身、確かにそれは間違いのない事実だと感じました。
経済産業省による、IT人材の不足についての定期調査によると、2030年にはIT人材が最大79万人不足、少なく見積もっても41万人は不足するとのデータが出ています。(※2018年時点の調査)

Webデザイナーになりたいのかどうかは、正直わからない。
でも、自分が思い描く働き方を実現できる職業だし、将来的に需要が見込めるスキルでもある。
何よりも、くすぶっている今の状況を変えたい気持ちが大きくて、「とりあえずやってみるか!」という気持ちになりました。
とはいえ、ひとつのスクールだけを見て決めるのは心許なかったので、もうひとつ別のスクールも見学してみました。
具体名は避けますが、大手の某スクールです。
そちらもスクールに通学してそこで自己学習を進める形式でしたが、教室が殺風景で予備校っぽい印象。デジタルハリウッドのおしゃれな雰囲気と比べてしまうと、物足りなさを感じました。
説明をしてくださったスタッフの方の対応もあまりよくなかったため、そちらは見学のみでフェードアウト。
デジタルハリウッドへの入学を決意。料金に冷や汗……?!
申し込んだのは、6ヶ月間の「Webデザイナー専攻」。完全初心者から、6ヶ月間で一人でWebサイトを作れるスキルが身に付くコースです。
お値段は、¥495,000 (税込)。(2021年現在も同じ値段のようです)
12ヶ月/4万ずつくらいだったかな。ローンだと割高なので一括でポーンと払えるのが一番いいんですけどね、本当は……。
学費はもちろん自腹。高いな〜とは思いましたが、実家暮らしだったので何とかなりました。
あとは、「自己投資だ!!!」という割り切りもありました。

転職を考えたこともありましたが、「ハンコとコピー、たまにお茶汲みの一般事務」の経歴ではなかなか転職先が見つからず……。
将来につながるスキルを得られるなら、50万円は決して高くはない、と感じました。
なので、もしここまで読んで興味が沸いたとしても勢いで申し込まず(そんな人はいないか……)、このあとのスクールで学ぶ内容の詳細も読んでいただいたほうが良いかと思います。
【体験談】Webデザインスクールってどんな感じ?デジタルハリウッド×LIGカリキュラム紹介
さて、デジタルハリウッドの「Webデザイナー専攻」は、どんな流れで学んでいくのか?
6ヶ月の受講期間のうち、前半3ヶ月は「インプット期間」、後半3ヶ月は「アウトプット期間」です。
最初の3ヶ月でWeb制作に必要な知識をしっかりと学び、後半3ヶ月で実際にWebサイトを制作する流れです。
現在のカリキュラム内容を確認したところ、大まかな流れや内容は私が受講していた時とほぼ同じでした。
ただ、「え、私の時はこんなのなかった!(うらやましい)」という感じで、パワーアップしていた部分も……!
体験談も交えて、詳しく解説していきます!
前半3ヶ月「インプット期間」:デザインとコーディングを学ぶ
前半3ヶ月は、Webデザインの基礎スキルを学ぶ期間です。
まずは、デザインソフト「Photoshop」「Illustrator」の使い方を学びます。
デザインに使うソフトは一応他にもありますが、この2つはデザイナーになるならマストで使えるようになる必要があります。
そのあとは、HTML/CSSやJavaScriptでのコーディングを学びます。
今の時点では「フーン?」くらいで流していただければOK!
最初の3ヶ月では、これらの知識をひととおりインプットします。

勉強方法については、私が受講した時には「スタジオ(生徒が勉強する教室)」にあるPCを使い、映像教材を見て勉強して、わからないことがあれば常駐されているスタッフさん(現役Webデザイナー)に聞く……という流れで進めていました。
でもコーディングに入るとまーーじーーでーーーーチンプンカンプン! わけわからん!! みたいな場面が頻発するので、わからないことをすぐに聞ける環境は本当にありがたかった。
現在のカリキュラムを調べてみたら「映像教材と直接指導を併用した学習スタイル」と書かれていたので、多分私の時と同じ感じだと思います。
ちなみに、映像教材は自分のPCからでも見られるので、平日の仕事終わりは自宅学習、週末はスクールに行ってスタッフさんに質問しながら進める……みたいなやり方もできます。
後半3ヶ月「アウトプット期間」:卒業制作としてWebサイトを作る
後半3ヶ月の期間では、前半のインプット期間で得た知識を元に、Webサイトを作ります。
卒業制作は、実際に1人でWebサイトを作れるスキルを身につけるためにとても重要なものです。
またWebデザイナーとして就職/転職する場合、「ポートフォリオ(作品集)」を求められるケースがほとんどです。
卒業制作で作ったWebサイトは、そのままポートフォリオに使える「作品」になります。
「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」2つの特徴
【特徴1】現役クリエイターやLIG社員によるLIVE授業
フリーランスとして活躍しているトレーナーや、LIGの社員さんが講師として登壇し、実践的な講義を行う「LIVE授業」。
基本の学習は映像教材を見ながら進めますが、LIVE授業では、講師の方が直接授業を行います。
- ディレクター講座
- UX講座
- 文字組みデザイン講座
- SEO講座
など、ざっと見た感じWeb制作の周辺知識が得られる講座がメインのようです。
LIVE授業も支払っている学費に含まれているものなので、元を取る的な意味でも、ガンガン受けるのがおすすめ!
……とか書いておきながら、実は私はLIVE授業は受けたことありません。普段の課題でいっぱいいっぱいだったので……。
ただ、LIVE授業ではないものの、卒業後にWebデザイン関連の講座を受講したことはあります。
実際に活躍されているクリエイターの方の話を直に聞けたことで、単純に技術面での学びを得られるだけでなく、「がんばろう!」と前向きな気持ちになれる刺激をもらえました。
【特徴2】LIGの手厚い転職サポート
私がWebデザイン専科を受講していた8年前には、LIGさんの運営ではなくデジタルハリウッド単体でのスクールだったので、実際にLIGさんの転職サポートを受けたわけではありませんが、「これ、めちゃくちゃ心強いのでは……?!」というのは、火を見るよりも明らか!
なぜなら、制作会社=採用側の目線を持っている、ということ。

「どんな人材が欲しいか?」という視点から転職をアドバイスしてもらえるって、転職活動においてどえらい有利じゃありません? えぇ、いいの??? まさか転職サポートは追加料金払わなきゃいけないんじゃないの……? とか思いました?? そんなことはありませんよ、転職サポートも込みでのスクール代金ですよ??? お得極まりないな?!?!?!
さて、少し取り乱しましたがサポート内容をさくっとご紹介。
- マンツーマンサポート体制:制作会社だからこそわかる現場の採用基準をもとに、履歴書・経歴書・ポートフォリオを添削。
- LIGならではの転職セミナー:未経験からの転職において求められるポイントをレクチャー。具体的な転職方法、クリエイター市場の最新情報、LIG社内の選考基準などを教えてもらえる。
- 社内の制作課題に挑戦できる:LIGの仕事にチャレンジできる。受けた仕事はポートフォリオ(作品集)に掲載可能。現場の制作の流れを体感でき、現役デザイナーからフィードバックももらえる。
手厚すぎてすごい、すごすぎる。
ポートフォリオは転職において超・重・要アイテムなので、そこに載せられる作品を、実務を体験しつつ作れるのはいいんじゃないかと思います。
詳しいカリキュラム内容は公式サイトでご確認ください。
「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」に通えば未経験からWebデザイナーになれるのか?
結論から言います。未経験からWebデザイナーになっている人は実際にいました。でも、なれない人もいました。
一体、その違いは何だったのか?
そう多くのスクール生と交流を持っていたわけではないため、はっきりとはわかりません。
でも一つ言えるのは、Webデザイナーになった人の中には、「課題以外でも、何かしら作っていた人」が多かったように感じます。

Webデザイン(とくにコーディング部分)は、知識を頭に入れれば作れるようになるものではなく、実際に手を動かさないとちゃんと作れるようにはなりません。単語や文法を覚えさえすれば英語で文章を書けるわけではないのと同じです。
未経験から6ヶ月の学びを経てWebデザイナーになるのは、不可能ではないと思います。
ですが、「スクールのカリキュラムをこなしさえすれば、Webデザイナーになれる」わけではありません。
ちなみに、私はスクールでの半年〜転職活動の中で目指す方向が変わり、デザイナー職にはつきませんでした。
しかし、スクールで学んだ知識は、その後の仕事に大いに役立っています。
ライターでいうと、記事のアイキャッチ画像を作る際にデザインの知識が役に立ったり、WordPressのカスタマイズ時にCSSゴリゴリ書いてデザインを好きにいじれたり。HTML/CSS、そしてデザイン関連は、意外と汎用性のあるスキルだなーと感じています。
「未経験からWebデザイナー」が可能な理由
どんな仕事でも、まったくの未経験から就職するのは難しいもの。
しかし本来は、経験がなくてもスキルがあればいいはずですよね。じゃあどうして、実務経験が重視されるのでしょうか?
それは、「経験があればある程度のスキルもあるだろう」と推し量ることができるからです。
履歴書や職務経歴書をどんなに力を入れて書いても、採用面接の場でいくらプレゼンをしても、「具体的なスキル」をはかるのは難しいもの。だから募集要項には、「実務経験●年以上」と書いてあるケースが多いわけです。
その点、Webデザイナーは自分が作ったWebサイトを提示することで、自分のスキルを示すことができます。
とはいえ、そこで示すものは「完璧」でなくてもOK。「経験はないけれど、今の時点ではこのくらいスキルを持っています」と示せればいいのです。
正直、スクールで半年間学んだだけで、実務レベルのスキルが得られるわけではありません。
中には「こんなの作れるの?!」とびっくりするくらいクオリティの高いサイトを作っていた人もいましたが、それは稀なケース。スクール卒業生で未経験からWebデザイナーになった人の多くは、ポテンシャルも込みでの採用だったように思います。
この記事を読んでいる人は、「Webデザイナーに興味がある、でも……」と迷っている人だと思います。
費用もかかるし、時間もかかるし、努力も必要です。でも、可能性がめちゃくちゃ低い、というわけではない。「未経験からWebデザイナー」は全然あり得る話です。
かくいう私はデザイナーになってはいませんが、スクールで得た知識を元に、異業種からWeb業界に転職しました。
現在の私はライターをメインとした「Web系フリーランス」ですが、あの時スクールに通っていなければ、今の働き方を選択することもなかったでしょう。
Webデザインスクールに通ったことは、大袈裟ではなく人生の転換点になりました。約50万円の受講料は、あの時の私にとっては大きな買い物でしたが、受講して本当によかったと思っています。
スクールに通うことが、全ての人にとって最良の選択になる……とは言えませんが、この記事が「Webデザインを学んでみようか?」と迷っている方への、何かの参考になれば幸いです。
【無料】「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」説明会を実施中(上野・池袋・大宮・オンライン)
「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」では、個別説明会を実施中。
上野・池袋・大宮のスクールに直接行くほか、オンラインでも受講できるようです。
この記事で紹介した「Webデザイン専科」以外にも複数コースはあるので、希望を伝えれば最適なコースを提案してもらえます。
説明会はもちろん無料。無理な勧誘もありませんし、「他のスクールの説明会を受けてから決める」でもOK。
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【今日のおすすめ本】
Webにかかわらず、「デザイン」の基本をわかりやすく学べるロングセラー本。
デザインする上で必要な基礎、概念、ルール、プロセスを図解やイラスト、写真などのビジュアルで解説しています。
ちなみにHTML/CSSなどのWeb制作スキルは随時技術がアップデートされているので、本で学ぶよりもスクールやネットなどから学ぶのがおすすめです。